職人KAZUKIの
筍ヒストリー
安心して食べて貰えるものを作りたい
小学生の頃から当時、農家として米、柿、筍を作っていた祖父に連れられ竹薮の仕事を手伝っていました。
小学・中学・高校・大学までずっと当たり前のようにほどんどの筍農家が使う筍専用の化学肥料や除草剤を使用していました。
大学卒業し23歳を過ぎるころ、体調の変化や 、ちょうど鍼灸マッサージ師の免許を取るため東洋医学を学び始めた頃で「口に入れるものがどれだけ体に影響するのか」を学び、自分が作るものは安心して食べて貰えるものを作りたいと感じるようになりました。
当時はお金もなく、
軽トラ一台からのスタート。
肥料を買うお金もありませんでした。
なので、タダでもらえる「おから」「もみ殻」や安く分けて貰える「ぬか」などを土に混ぜ冬には藁を敷き、土をかぶせていました。
また、秋の市内の落ち葉拾い活動に参加し、集めた落ち葉を全部貰って土にかぶせたり出来るだけ経費を掛けずでのスタートでした。
しかし、それがかえって土に良かったのです。
調べていくと、理にかなってました。
肥料のこだわり
また、もっと調べていくうちに、化学肥料に入っているようなものを有機で身の回りのもので代用できないか・・・
そんなことを考えながら、京都の市場にあるいつものお蕎麦屋さんで食事をしている時にひらめきました。
「なんておいしい出汁!この出汁を取った昆布や削り節は… 廃棄なんだろうか…」
大将に聞いてみると、捨てるとの事だったので、それ以降、昆布、削り節(権八のブレンド)を頂いて、乾燥させて粉にして、土に混ぜはじめました。
同様に 、市場内にあるマグロ専門店でも廃棄される部位をもらって、肥料を作ることを思いつきました。
自分のこだわりは
「土づくり」「品質管理」
そして、廃棄されるもの(おから・貝殻・落ち葉・だしを取った後の昆布や削り節、血合いなど)がもう一度竹藪で役に立ってもらうことがなにより嬉しいことです。
独立開業当時より、有機質肥料として「おから」「稲ワラ」「米糠」「落ち葉」等といった自然のものを堆肥とし、また2016年からは「昆布」「貝殻」などもたっぷり入れて土に栄養を与え、2018年からは年々悩まされる夏季の雨不足・気温の上昇対策として前代未聞の竹藪に水やりを行っています。
具体的には…
- 京都中央市場『権八』様から昆布・カツオ節・いりこなど
毎週、乾燥粉砕して撒く(鰹などの節192㎏/年・昆布 240㎏/年) - 京都中央市場『鮪専門 小松商店』様から鮪の血合い⇒ 乾燥粉砕して撒く
- 某旅館様より乾燥昆布・アワビの殻他貝殻⇒粉砕し土に混ぜる(定期的)
- 夏場、雨不足対策として水やり、除草剤を使わず草引き
- 収穫が終わった6月下旬から夏にかけて有機質肥料を混ぜ表面を耕す
- 植木や造園の剪定作業で出た枝などを保温保湿(堆肥としても)の為に使う
- 丹後半島の海水100%ニガリ(西晶㈱琴引きの塩)を薄めて散布
上記を一年中かけて土に含ませ、10月に稲わらを敷き11月には京都市のクリーン作戦で集められた落ち葉を竹藪一面に広げ、12月にはふかふかの土をかぶせる「土入れ」を行い、春先の収穫時期を待ちます。
また、品質管理における徹底として涼しい倉庫で仕分け作業を行い、集荷時間までは冷蔵庫にて保管、クール便でお届けしております。筍は鮮度が一番ですので、少しでもベストな状態で皆様のお手元に届くよう努めております。
「旬のもので一番になる」
そんな想いで『たけのこ旬一』と名付けました。
愛情いっぱい育てた筍を一人でも多くの皆様にお届けできるよう今後も努力してまいります。