真っ黒に育てる、旬一の土
伝統と進化が生む筍づくり
~京都・塚原の土と
向き合い続けてきた、旬一の筍づくり~
環境に寄り添う、筍栽培の進化へ
京都・塚原に伝わる筍栽培は、秋に竹藪へ稲藁を敷き詰め、冬に土入れを行うという、古くからの手法によって受け継がれてきました。
開業以来、私たちもこの京都ならではの栽培法を大切に守り続けてきました。
しかし近年、気候の変化により、これまでの方法だけでは土の状態を保つことが難しくなってきています。
そこで、伝統の考え方を踏まえた上で土づくりを見つめ直し、より良い環境を整えるための取り組みとして、2024年より、従来の藁による土づくりに加え、牛糞堆肥も取り入れた栽培へと発展させました。
使用する堆肥にもこだわり、ミネラル豊富な水と独自のブレンド飼料、そして150年以上にわたり受け継がれてきた長期肥育の技術によって育てられた「京都丹波牧場 平井牛」の牛糞堆肥を用いています。
なぜ、藁と牛糞堆肥なのか
近年の気候変動は、筍栽培に大きな影響を与えています。
年々降水量は減少し、雨が降らない日が続く一方で、5月から11月にかけて暑い日が長期化し、地中の水分量は著しく低下しています。
粘土質であることが魅力の塚原の土も、日照りと雨不足により本来の粘りを失い、乾燥してしまう状況が続いていました。
筍栽培に欠かせない藁は、通気性・保水性・保温性に優れた資材です。
しかし現在の気候条件では、地中で一年も経たないうちに分解が進み、その役割を十分に果たしきれない場面も出てきています。
このまま従来の方法を続けることが、本当に筍のためになるのか。
非常に悩んだ末、原点に立ち返り、栽培法そのものを見つめ直す必要があると考えるようになりました。
藁は本当に不可欠なのか。
なぜ藁でなければならないのか。
他に選択肢はないのか。
各地の筍産地を視察
異なる土壌や環境の中で工夫を重ねる生産者の取り組みに触れる中で、「今の塚原の環境に合った方法」を探る視点を得ました。
その結果、2023年より試験的に牛糞堆肥を導入しました。
一年間の試験栽培を経て、筍の味や質に明らかな変化を感じ、現在の栽培方法へとつながっています。
藁と牛糞堆肥、それぞれの力を活かして
藁が担ってきた通気性・保水性・保温性という役割を大切にしながら、それを補い、さらに高める形で牛糞堆肥を取り入れています。
牛糞堆肥は、現在の気候条件にも対応できる土壌環境を整え、安定した生育へとつなげます。
また、旬一の竹藪では堆肥をふんだんに使用することで、カブトムシの幼虫が多く発生し、微生物の活動が活性化します。
それにより、筍が育つ土壌そのものが、より健やかに整えられていきます。
こうして、藁と牛糞堆肥、それぞれの特性を活かすことで、塚原の土に合った独自の筍栽培を築いています。
京都の伝統を守りながらも、その本質を見つめ直し、より良い形へと高めていくこと。
同じ塚原産の筍であっても、「旬一」としての価値を追求し、研究と挑戦を重ねていくこと。
その積み重ねこそが、私たちの成長であり、筍づくりの未来につながると考えています。
愛情を込めて育てた筍を、一人でも多くの方にお届けできるよう、これからも歩みを止めることなく、挑戦を続けてまいります。






